なぜ、自治体が策定する地域防災計画は抽象的なのか?防災士が解説します。

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なぜ、自治体が策定する地域防災計画は抽象的なのか?

地域防災計画は、災害対策基本法に位置づけられた、都道府県・市町村の防災に関する大綱です。大綱なので、大枠の事だけを決めており、詳細部分については決めていません。自治体の防災計画の幹となる計画として位置づけられており、枝葉の細かい防災分野については、個別具体な計画(避難所運営マニュアルとか、業務継続計画とか)で規定する形をとっています。

災害対策基本法抜粋 その1
  1. 当該市町村の地域に係る防災に関し、当該市町村及び当該市町村の区域内の公共的団体その他防災上重要な施設の管 理者の処理すべき事務又は業務の大綱
  2. 当該市町村の地域に係る防災施設の新設又は改良、防災のための調査研究、教育及び訓練その他の災害予防、情報の収 集及び伝達、災害に関する予報又は警報の発令及び伝達、避難、消火、水防、救難、救助、衛生その他の災害応急対策並び に災害復旧に関する事項別の計画
  3. 当該市町村の地域に係る災害に関する前号に掲げる措置に要する労務、施設、設備、物資、資金等の整備、備蓄、調達、 配分、輸送、通信等に関する計画

 

地域防災計画に書いていない分野は、災害時に対応しない??

この地域防災計画に全く要素として入っていない事項については、その自治体はマニュアルや実行計画レベル等の具体計画の中で詳細を考えていない可能性が非常に高い事項という事になります。要するに、地域防災計画でカバーできていない分野は、その自治体が考慮していない、防災分野の穴ということになります。

あなたが気になる分野について、ちゃんと地域防災計画で規定されているか調べてみては??参考になりますよ。

私が調べた分野
帰宅困難者だったり、避難所のアレルギー食(腎臓食)、重度障害者の避難所までの移動支援

自治体が裁量で決められる部分とそうでない部分がある?

当然ですが、災害対応は、国・都道府県・市町村が連携して初めて、最大の効果を発揮します。よって、地域防災計画も、都道府県の地域防災計画は、国の防災計画に配慮する事、市町村の防災計画は都道府県に配慮する事と、災害対策基本法の中に規定されています。bousaikeikaku
これが、どこの自治体の地域防災計画も似たり寄ったりになっている原因の一つでもあります。(災害対応が自治体ごとに大幅に異なるわけはないので、当たり前といえばそうですが・・・)

災害対策基本法抜粋 その2
  • 市町村防災会議(市町村防災会議を設置しない市町村にあつては、当該市町村の市町村長。以下この条において 同じ。)は、防災基本計画に基づき、当該市町村の地域に係る市町村地域防災計画を作成し、及び毎年市町村地域防災計画 に検討を加え、必要があると認めるときは、これを修正しなければならない。
  • この場合において、当該市町村地域防災計画は、 防災業務計画又は当該市町村を包括する都道府県の都道府県地域防災計画に抵触するものであつてはならない。

 

地域防災計画は小回りが利かない計画

修正方法が法律に定められており、有識者等が入った市町村防災会議が定めるものとなっている。(市町村長が定める計画ではないことに注意してください。)

なので、簡単に自治体が防災計画を変更することは難しいです。多くの自治体が、軽微な修正であっても、パブリックコメントで広く市民の意見を募集し、防災会議で関係機関の意見を収集したうえで、計画修正をしています。

要するに、地域防災計画は、都道府県や市町村の防災分野の根幹となる計画ですが、自治体が自身の力のみで決定できる計画ではありません。様々な機関や住民にお伺いを立てて、ようやく策定できる小回りが利かない計画になっています。

細かいことは書いていない・書けないため、概念的な計画になっています。実際に、あなたの住んでいる地域の地域防災計画を調べてみてください。防災の分野は日進月歩ですが、毎年地域防災計画の見直しをしている自治体はほとんどありません。

結論
自治体の災害対応の方向性を知りたいなら地域防災計画をチェック。具体的な動きを知りたいなら、個別計画を見るべし

 

 

 

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