解答例文つき 昇進・昇格試験(論文編)| 職場のコンプライアンスをどう推進していくのか

OKとNG コンプライアンス

コンプライアンスについて、みなさんには、どれくらい知識がありますか?

正直なところ、私自身は管理職になるまでは、『事業を進める上で、最低限守らなければいけない法規や社内規定さえ押さえておけば、コンプライアンスはOK』くらいの認識でした。

その後、管理職になって、あわててコンプライアンスの知識や考え方を学び直しました。

コンプライアンスという観点からみた場合の管理職の役割は『遵守する立場はもちろん、部下に遵守させる立場でもある』ということです。

例えば、チームのメンバーがグレーなやりかたで事業を進めようとしたときに、管理職は、自分が有している知識の中から、その行為がセーフなのかアウトなのか判断しなければなりません。

これが、結構難しい。

部下の行為を止めるにしろ、認めるにしろ、『なぜ、その行為がOKなのか?またはOUTなのか?』根拠を明確にしなければ、正しく部下を導くことができないからです。

例えば、法律や条例などに規定される行為は、その良し悪しが比較的簡単に判断できます(部下も法規は把握して作業をしているので、逸脱する行為はそもそも発生しません)。

しかし、企業倫理の部分、特に自分がモラルとして感覚的に理解している部分や経験として理解している部分は、部下とは乖離が生じます。

その時に、管理職である自分がなぜ、その判断に至ったかを伝えようとしても言語化が難しいのです。

しば

時々、『これは常識だろ』とマイルールを根拠なく、部下に押し付けている人もいますが・・・。

この現在進行形で私が悩んでいるコンプライアンスの推進については、どの分野の管理職であっても、役割として必ず求められる分野の1つで、小論文で課題として触れられる可能性もあります。

今回は、簡単にコンプライアンスのバックボーンに触れた後、その書き方と参考文例をお示ししたいと思います。

その他、昇進試験について何をどう勉強すればよいか不安な方、志望動機や他テーマの小論文の作成について学びたい方は、こちらからどうぞ。

参考記事【完全攻略】昇進試験って何を勉強すればいいの?合格までのロードマップとは

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小論文作成の準備|キーワードの洗い出し

地に足の着いた具体的な小論文とするため、必要なキーワードの洗い出しから開始します。

以下は、私が考える「コンプライアンスの推進」に関するキーワードです。みなさんも余力があれば自分の手を動かして考てください。

① 言葉の定義を必ず調べる

コンプライアンスを直訳すると、法令順守です。

しかしながら、私たちが組織で使っている日本における『コンプライアンスの推進』は、法令以外の企業倫理の遵守も含む広い定義の言葉になっています。イメージだと以下のような感じです。

コンプライアンスの範囲

このバックボーンにあるのは、法令遵守だけでは、組織の不祥事はなくならないという事実です。

少し古いですが、船場吉兆の賞味期限や産地偽装などでの廃業、最近でいうとコロナ禍における公務員の歓送迎会の実施等がイメージしやすいのではないでしょうか。

参考:ウィキペディア 船場吉兆

参考:職員の飲み会について(大阪市HP)

これまでは大丈夫でも、企業倫理を含めたコンプライアンスの範囲は日々揺れ動いており、特にコロナの影響で近年の変化は著しくなっています。

自分自身の知識を常にアップデートしておかなければ、コンプライアンス違反を気づかぬうちに犯してしまうということになりかねません。

少し大げさな話をすると、内部告発などで違反がマスコミに漏れ、結果、バッシングの嵐、組織ブランド力の低下、倒産ということもあるということです。

実際に帝国データバンクの調査によると、2020年にコンプライアンス違反が原因で倒産した会社は182件となっています。

コンプライアンス違反による倒産件数

引用:帝国データバンク|コンプラ違反倒産、9 年ぶり 200 件割れ

ポイント
日本のコンプライアンス≠法令遵守

② 理想の状態をイメージする

コンプライアンスが維持できている状態とはどういった状況なのか?

  • 組織に属している人間が、コンプライアンスに対して一定の知識がある
  • 特に管理職は、法令だけでなく、企業倫理についても部下を指導できるだけの知識がある
  • コンプライアンス推進部門による『積極的な研修・わかりやすい研修』の実施
  • 企業倫理の部分が分かりにくい、どう判断するのが最適なのか?ケーススタディがある
  • 誰もが、コンプライアンス違反をチェックできるしくみがある。グーレーゾーンを注意しやすい文化。言いやすい文化がある
  • なぁなぁにしない、文化

③ 現実をイメージする

  • 誰が何をしていれば、コンプライアンスの推進ができるのか?できたと言えるのか?
  • 法令の遵守は、ほぼ全員の共通認識があるが、企業倫理やモラルは個人によって差がある。
  • よって、Aさんにとってはセーフであっても、Bさんにとってはアウトみたいな事例がでてくる。
  • いわゆる、グレーゾーンが分かりにくい。
  • コンプライアンスを遵守することは、会社して最低限必要であることが理解できていない社員がいる。
  • そもそも、あんまりコンプライアンスを意識してない社員がいる。成果を最優先。(利益>コンプライアンス)
  • コンプライアンスを遵守しても評価されない。⇒遵守するモチベーションが必要??
  • 法務部門が時々思い出したように、コンプライアンスの社内報を発行しているけど、細切れの情報を時々与えられても体系的な理解は進まない。ムダ。
  • 今までオーケーだったこと、みんながやっていたことがNGになった。これがわかりにくい。結果、気が付かずコンプライアンス違反が進行する。実際にコロナ禍の自粛の範囲が、個人で様々だった。

④ 余力があれば、マイナス要因も考えておく

特になし。

⑤ 具体的な解決方法をイメージする。

管理職としてできること

  • コンプライアンスの維持のためにグループという小さな単位で、何ができるか、何をするべきかを明確にする。(メソッドの確立)
  • 法規などの定義が明確なものを遵守することは当然として、所謂グレーゾーンに対する、経験と知識が必要(ケーススタディをどれだけ知っているか?過去にどのような判断をしたかの引き出しが多い方がいい)。
  • グレーゾーンを排除した事業設計。
  • 分からない部分があれば、コンプライアンス部門にすぐに相談にいく(無理に1人で抱え込まない)。
  • モノが言いやすい組織風土。コンプライアンス違反を感じた人がいれば誰でも声をあげられる職場をつくる。
  • 個々人のモラル強化。

上司にコンプライアンスに対する認識が充分でない管理職がいると、どうなるか??参考動画があったのでリンクしています。本人にも、会社にも、周囲の人間にもマイナスしかありません。

小論文 解答例文

小論文を作成するにあたっての論理構成

作成するにあたっては、先ほど準備した①~⑤の材料を組み合わせて、論理的な文章を構築します。論理展開としては以下の順番がおススメです。

  1. 用語の定義(今回はコンプライアンスの推進とは)
  2. 現状(どんな課題があるか)
  3. 理想
  4. その為に何をするのか

解答例文 管理職として職場のコンプライアンスをどう推進していくのか

コンプライアンスを直訳すると、法令順守となる。

しかしながら、今日、日本における『コンプライアンスの推進』とは、法令以外の企業倫理の遵守も含む広い意味の言葉になっていため、この論文内でも同様に定義する。

以下に管理職としてコンプライアンスにどのように取り組んでいくかについて、現状(課題)と取り組みの方向性を論じる。

1.現状(課題)

職場におけるコンプライアンスを推進していくうえで、現状の課題については以下の3点である。

①、職場の模範となるべき管理職自身のコンプライアンスに対する知識の向上

②、チェック機能の強化

③、コンプライアンス意識の醸成(職場研修によるコミュニケーション)

2、具体的な対策

①、職場の模範となるべき管理職自身のコンプライアンスに対する意識・知識の向上

コンプライアンスは、企業が社会の一員として最低限守らなければならないルールであるが、直接的に成果を産むものではないため、チームが利益を重要視すればするほど、相対的にコンプライアンスが軽視されがちになる。

営利企業として経済活動をする上で、利益の最大化を追求することは当然のことであるが、社会から必要とされる企業であり続けるためには、企業のブランド力も併せて向上させ続ける必要がある。

 その為には、常に冷静な目で、自らの企業活動がコンプライアンスから逸脱していないか、チェックする機能も併せ持つ必要がある。

このチェックする役割は、それぞれの部門で、事業の業務進捗を把握する管理職が担うべきであり、そのためにも、まずは管理職に『現場に即したコンプライアンスの知識・情報』と『自力でコンプライアンスに関する情報を収集する術』を学ぶ機会を提供する必要がある。

過去に人事部が主催したコンプライアンス研修では、ディスカッション形式で出席者と意見交換しながら学ぶ形式が取られた、企業倫理やモラルの部分(グレーゾーン)については、個々人によって、様々な解釈があるので、事例を踏まえた実用性の高い内容だったと記憶している。

管理職は、自身のコンプライアンスに対する感度を高く保つために、これらのコンプライアンス研修に活用しながら、時代によって変化していく企業倫理に後れを取らないよう、自学していくことが求められていると考える。

②、チェック機能の強化

コンプライアンスの知識を高めた管理職が、次にやるべきことは、自らの部署が抱える個々の業務をコンプライアンスに照らして、問題がないか、白から黒かをチェックすることである。

特に、先ほど述べた企業倫理の部分については、様々な解釈があり、前例踏襲で意識していない部分にこそ、時代錯誤となっている可能性があるため特に注意が必要である。

もし、管理職が判断できないような事例が出てきた場合は、コンプライアンス部門が、相談を受け付けるなどしっかりしたフォロー体制の構築が求められる。

既存の事業のチェックに加え、新規事業を実施するにあたっては、管理職はコンプライアンスのアンテナ感度を高くして、現場監督として可能な限りグレーゾーンを、排除した事業設計を模索すべきである。

③、コンプライアンス意識の醸成(職場研修によるコミュニケーション)

最後に、管理職だけでなく、チーム全体のコンプライアンス意識の醸成について述べる。

コンプライアンス違反を早期に発見するには、チーム内でのコミュニケーションが活発で風通しの良いことが必要である。

例えば、チームのメンバー11人が、自分が担当する業務の進め方等について、自身のモラルに照らし、問題ないのかどうかをチェックし、疑問が生じたなら、すぐに相談・共有できるような環境が望ましい。

こういった、理想の環境に近づけるためにも、業務の進め方を今一度振り返る機会として、コンプライアンスをテーマとした職場研修を定期的に実施し、チーム内でコミュニケーションを図ることが有効であると認識している。

管理職への昇進が叶ったなら、上記3つの具体策をもってコンプライアンスの推進に貢献したいと考えている。

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