解答例文つき 昇進・昇格試験(論文編)| 管理職としてチームをどうマネジメントしていくのか?

マネジメント

『管理職の業務の中心といえば、マネジメント』という認識をお持ちの方は多いのではないでしょうか?

『マネジメント』の本質とは「ヒト・モノ・カネ・情報を上手くやりくりする」で、非常に抽象的で、かつ幅のある概念です。

解釈によっては、あらゆることが、マネジメント業務の範疇になります。

管理職試験においては、マネジメントについては、様々な角度から、繰り返し問われることになるので、次の2点を把握・整理しておく必要があります。

  1. 採点する側(会社側)が求めているマネジメントの範疇
  2. 事前に自分がマネジメントをどのように捉え、何を実践しようと考えているのか

まずは、自分の直属の上司がどのような範囲の仕事をしているかを改めて確認し、自分の組織で求められているマネジメントの範疇を理解・把握するのが一番良いと考えます。

しば

周りに、そんなロールモデルになるような上司がいない方、マネジメントの概念を自分で言語化が苦手な方へ。

大丈夫です、全く問題ありません。なぜなら本屋に行けば答えが販売しているからです。以下の書籍が良書でおススメです。書籍の力をどんどん活用しましょう。

関連記事【1年目の新米管理職・課長向け】マネジメント本 ランキング|知識で経験不足を補おう

今回は、昇進試験でも頻出テーマである「マネジメント」について、小論文の書き方と、参考文例をお示ししますが、志望動機でも面接でも、何らかの形で「マネジメント」を問われる可能性が高いので、論文試験が課されていない方も、自身の考えを整理しておくことをおススメします。

管理職試験の志望動機や他テーマの小論文の作成について学びたい方は、こちらからどうぞ。

関連記事【まとめ】解答例文つき 頻出テーマ10選 昇進・昇格試験(小論文編) 

関連記事【例文つき】管理職への昇進試験|志望動機・自己PRの書き方

小論文作成の準備|キーワードの洗い出し

地に足の着いた具体的な小論文とするため、必要なキーワードの洗い出しから開始します。

以下は、私が考える「マネジメント」に関するキーワードです。みなさんも余力があれば自分の手を動かして考えていみてください。

① 言葉の定義を必ず調べる

マネジメントの定義ですが、具体を挙げるとプロジェクトマネジメント・チームマネジメント・ストレスマネジメント等々いっぱいあり過ぎて困る・・・。例えば、以下のように整理することができます。

マネジメントの形態

これらを踏まえて、マネジメントを定義すると、以下のように抽象的になります。

マネジメントとは
組織におけるヒト・モノ・カネ・情報などの経営資源を効果的に活用することで、組織の成果を最大化すること

定義が広すぎて、小論文が書きにくいと思った方、大丈夫です。昇進試験の小論文は、レポートではありません。網羅的にマネジメントについて取り上げる必要はなく、自分が打ちやすいボールだけ打てばいいのです。

MEMO
小論文で重要なのは、網羅性ではなく実効性。自分が書ける要素だけ書く。

ちなみに、マネジメントがテーマなのに、認識不足でリーダーシップとごっちゃにしてしまう人が、時々います(私も面接で、完全に混同した受け答えをしました・・・。)。

この間違いは、勉強不足が露呈してしまいます・・・私と同じような恥ずかしいミスをしないためにも、事前にリーダーシップについても確認しておくことをおススメします。(以下の記事を参考にしてください。)

参考記事 解答例文つき 昇進・昇格試験(論文編)| どのようにリーダシップを発揮するのか

② 理想の状態をイメージする

  • チーム員に不安がない、迷いがない、安心感がある
  • 全体のプロジェクトの進捗が手に取るようにわかる(全員で共有)
  • チーム員全員が、適切な目標を設定し、それを達成する
  • その結果、生産性が向上する(投入する時間に対して、成果が大きくなる)
  • 残業がなくなる
  • チーム内でスキルの共有が進む、知識の継承が進む
  • マニュアル化が進む

③ 現実をイメージする

  • 前任者の引継ぎが不十分で不安、どうすればいいの?
  • 誰が何をやっているか不明?
  • フォロー体制皆無、病気で休んだら休んだ人間の負担が増えるだけ。誰も手伝わない
  • どこの作業工程がボトルネックになっているかよくわからない。非効率な作業の結果、残業だけが増える。
  • 形骸化している人事評価とその面談。誰のための面談??
  • それぞれの社員が掲げる個人目標が抽象的。数値目標でもないし、明確な行動目標でもない。
  • マニュアルはあるけど、適切にメンテされていない。そしてメンテしても評価されない。
  • 残業のせいで、マニュアルのメンテをする暇がないという、本末転倒な言い訳が横行する。
  • チーム内でスキルの継承や共有皆無。優秀な人はどんどん優秀に、ダメな人はどんどんダメに。二極化していく。

④ 余力があれば、マイナス要因も考えておく

過剰なマネジメントの弊害は・・・・

上司がスケジュールや目標を押し付けると部下のモチベーションが下がり、やらされ仕事になってしまう。部下の主体的な意思を、チームの目標にマッチさせないといけない。

⑤ 具体的な解決方法をイメージする。

採点者が素人だった場合や外注している場合、チームマネジメントしか理解していない可能性があるので、チームマネジメントをベースとして解決策を提示する方向で書くことにする。

チームマネジメントのフォロー体制とスキルの共有(人材育成)、チーム全体で使うマニュアルやアクセス・エクセル、kintone等で作業を自動化した人間をもっと評価するしくみ、ここら辺をターゲットに書く。

小論文 解答例文

小論文を作成するにあたっての論理構成

作成するにあたっては、先ほど準備した①~⑤の材料を組み合わせて、論理的な文章を構築します。論理展開としては以下の順番がおススメです。

  1. 用語の定義
  2. 現状(どんな課題があるか)
  3. 理想
  4. その為に何をするのか

模範解答 管理職として職場をどうマネジメントしていくのか?

マネジメントとはは、『組織におけるヒト・モノ・カネ・情報などの経営資源を効果的に活用することで、組織の成果を最大化すること』と定義されている。

概念が非常に多くの分野をカバーするものであるため、今回の論文では、チーム員を適切にフォローし、モチベーションを高める事によって、成果を最大化する『チームマネジメント』に注力して論じるものとする。

1.現状

チームを最適に運用していくためには、メンバーである個々人がレベルアップすることはもちろん、チームの中で情報やスキルを共有しチーム全体がレベルアップしていくことが不可欠である。

その観点から、現状の課題として私が認識しているのは以下の3点である。

(1)メンバーのスキルに大きな偏りがある(場当たり的に研修を受けている)

(2)個人が掲げる通期の事業目標が抽象的(仕事をしても、しなくても達成できる目標になっている)

(3)経験の浅い社員の自立を助けるような、マニュアルやプレゼンのテンプレートが不十分

2.対応

それぞれの課題に対する対応策を以下に示す。

(1)計画的な人材育成(適切なスキルアップと研修計画の設定)

わが社における、OFFJTに目を向けると、若手社員向けのオフィスソフトの活用研修から、最新の学会参加による専門知識の習得まで、非常に多岐に渡る、研修・学びの場が提供されている。

一方で、社員の参加傾向を見ると、『法改正があって、どうしてもその情報を把握しておかなくてはいけない』又は『プロジェクトを進める上で、必要な情報を得なければならない』等、真に切羽詰まった状況であれば、参加率が高まるものの、重要ではあるが、急ぎではない研修・学びの場については、参加傾向が低い状況となっている。

これでは、場当たり的な知識しか得られず、担当する分野のエキスパートへの成長は見込めない。

研修への参加にこのような傾向がある理由の1つは、業務担当者が必要性を判断し、その出席を決めているためである。目の前の実務をこなすことに注力している担当者任せにすれば、研修参加の優先順位が低くなることは、やむを得ない。

この状況を改善する1つの方策として、管理職が事前にチームとして有しておくべきスキルや育てておくべきスキルを把握し、誰にそのスキルを学ばせるか(場合によっては維持継続させるか)、スキル面での人材育成計画の設定が必要であると考える。

例えば、コミュニケーションツール・広報プロモーションツールとして動画編集のスキルが有効であると重要視されている。

将来的には、部署に1人以上の動画編集者が必要であると予測されることから、人材育成スケジュール(誰に、動画編集のスキルを持たせるかを整理)を作成し、業務命令で、あらかじめ動画編集研修を受講させておくなど、業務レベルにスキルを追つかせるのでなく、スキルが先行して、その後ろを業務レベルが追いかける形にするべきではないだろうか。

(2)人事評価制度を活用した、明確な目標設定とフィードバック

人事評価に際して、わが社では4月に係員は上司が面談の上、目標設定することになっており、期中にその進捗の確認、年度末に、結果を評価しそのフィードバックが行われている。

過去の私もそうであったが、若手係員の目標設定には、抽象的な内容となることが多い。例えば、『〇〇に配慮する』、『適切な情報伝達を心がける』、『〇〇知識の向上を図る』、こういった目標を掲げる係員の心理の本質は、自信の欠如と達成できなかった場合の責任回避によるものである。

こういった抽象的な目標が設定されると、明確な物差しがないため、達成したかどうかの評価ができず、結果適切なフィードバックができないので成長できないという悪循環に嵌ってしまう。

この問題を解決する方策は、2つあり、1つはたとえ目標が未達成であっても、チャレンジした行動に対しては正当に評価がなされることをあらかじめ部下に伝えること。

もう一つは、目標の設定を可能な限り数値化すること、それができないのであれば、実際の行動回数(例えば、月に1回レポートを作成するなど)を目標として設定することをルールとするなどが揚げられる。

これら2案とも、実際の現場に定着させるには、面談を通じて管理職が1人1人の部下にその必要性を説いていくことが重要であると考える。

(3) 暗黙知を形式知に(マニュアルの整備・プロモーション用のプレゼン資料のテンプレート作成)

わが社では、新入社員にはフォローする先輩社員が1対1でつくというメンター制度があり、知識・経験が少ない侵入社員でも、遠慮せず疑問点を相談できる体制が敷かれている。

しかしながら、こういったフォロー体制を必要としているのは新入社員だけでない。

例えば、2年目以降の経験の浅い若手、知識・経験の乏しい異動者(転職組含む)については、周りから、多少の助言はあるものの、独力の業務達成が求められている。

独力で仕事を進めていくにあたっては、過去の資料を探す、前任者やベテラン社員に詳細を確認し悩みながら進めていく形になりがちだが、この悩む時間や過去資料を探す時間は、完全に無駄である。

この無駄な時間を解消する1つの方策として、例えば、ベテラン社員には既存業務と並行して、作業のマニュアル化、実施回数の多いプレゼンのテンプレート化に取り組ませるなど、彼らが有している暗黙知を形式知に変換し、それをチーム員全員に共有できる環境を整備してくべきであると考える。

恐らくこれまで、業務の標準化が進まなかった理由の1つは、人事評価の目標として、マニュアル化やテンプレートが掲げられる頻度が低かったこと(上司からベテラン社員への促しが充分でなかったこと)も要因の1だと考えられるので、面談などを通して、マニュアル化等の作業が、目標設定され、それが高く評価される環境を作っていきたい。

管理職への昇進が叶ったなら、まずは上記3つの具体策をもってチームを適切にマネジメントしていきたいと考えている。

(文字数2,300字)

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