解答例文つき 昇進・昇格試験(論文編)|企業としてSDGsにどう取り組むべきか?

SDGs

SDGsは皆さんの業務にどれくらい影響していますか?現時点(2021年12月)では、業種によって様々といったところでしょうか。

こんなテーマがわざわざ管理職試験にでるの?と問われそうですが・・・・、可能性は結構あります。

企業は、未来がどのようになるのか、しっかり認識したうえで、舵取りができる人間を求めています。

国がアクションプランを立てて、予算を組んでいる以上、どのような業種もSDGsを無視することはできません。SDGsが2030年を目標としていることから、このトレンドは当分続きます。これは100%確定している未来です。

SDGsは、その対象とする範囲が広いため、端的に表現することが難しい言葉です。

昇進試験に特化して考えると『SDGsとは何なのか』と、『自分の会社・自分の部署はどの分野に関連が深いのか』をしっかり理解しておくだけで、充分です(この記事でどの分野を中心に理解しておけば良いか解説します)。

どちらかというと小論文よりも、トピックの1つとして面接や筆記で「SDGsについて、どう考えますか?」と質問される可能性が高いかなと思います。

今回は、SDGsとは何かと、企業でSDGsを実践しようとした場合、どういった手順で取り組むべきかについて、参考文例をお示ししたいと思います。

その他、昇進試験について何をどう勉強すればよいか不安な方、志望動機や他テーマの小論文の作成について学びたい方は、こちらからどうぞ。

参考記事【完全攻略】昇進試験って何を勉強すればいいの?合格までのロードマップとは

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小論文作成の準備|キーワードの洗い出し

地に足の着いた具体的な小論文とするため、必要なキーワードの洗い出しから開始します。

以下は、私が考える「SDGs」に関するキーワードです。みなさんも余力があれば自分の手を動かして考えていみてください。

① 言葉の定義を必ず調べる

国のページがメッチャあって困る。

外務省が概要ページJAPAN SDGs Action Platform | 外務省 (mofa.go.jp)を設けているので、ここで、SDGの17の目標&169ターゲットを確認しておきましょう。

17の目標

企業活動に関係がない部分が多数なので、確認はホントにサラッとでいいです。日本では、既に対応できている分野が多数あることが理解できれば十分です。

※ドイツのベルテルスマン財団と持続可能な開発方法ネットワーク(SDSN)が共同で発表した 2019 年の報告書においては、日本は、SDG4(教育)及び SDG9(イノベーション)については達成度合いが高いと評価される一方

SDG5(ジェンダー)、SDG12(生産・消費)、SDG13(気候変動)、SDG17(実施手段)については低いと評価されています。

このボリュームたっぷりのSDGsの中から、どの部分が昇進試験で問われそうかというと、下表で示す企業活動に直結する『優先して取り組むべき分野(8分野)』や『ステイクホルダーとしてのビジネス』に関係する分野です。

SDGs 実施指針改定版(首相官邸 SDGs推進本部)に掲げられています。以下に抜粋します。

SDGs 実施指針改定版(優先8分野)抜粋
  1. あらゆる人々が活躍する社会・ジェンダー平等の実現
  2. 健康・長寿の達成
  3. 成長市場の創出、地域活性化、科学技術イノベーション
  4. 持続可能で強靱な国土と質の高いインフラの整備
  5. 省・再生可能エネルギー、防災・気候変動対策、循環型社会
  6. 生物多様性、森林、海洋等の環境の保全
  7. 平和と安全・安心社会の実現
  8. SDGs 実施推進の体制と手段
SDGs 実施指針改定版(ビジネス分野)抜粋
  • それぞれの企業が経営戦略の中に SDGs を据え、個々の事業戦略に落とし込むことで、持続的な企業成長を図る。
  • ジェンダー平等及び女性のエンパワーメントのために、包摂的かつ公正な労働市場を促進する。
  • 企業への SDGs の浸透は一定程度進んできたが、中小企業への更なる浸透が課題。今後は中小企業でもSDGsを取り組むことが不可欠。
  • ビジネスと人権、責任あるサプライ・チェーン、企業の社会的責任に関する取組は重要。
  • 政府は、企業の SDGs に資する取組の促進を行う。

② 理想の状態をイメージする

  • 企業ブランドの向上(販売増、採用による優秀な人材増)
  • SDGsに取り組むことで、ビジネスチャンスの増加(新たな会社、公官庁、大学などとの連携増)
  • 企業内の人材活性化??(女性登用の増⇒女性が昇進したいと思う会社に変化⇒社員に優しい会社に)

③ 現実をイメージする

  • SDGsが理解されていない。知らない社員が多い⇒このままでは、ボトムアップで良いアイディアが生まれない
  • 環境保全活動の一環として、見られがち。ISO14001やCSRと混同。これらと何が違うのか?
  • SDGsと企業活動がリンクしていない。個々の事業にSDGsの視点での評価が必要。SDGsの視点では、目標設定されていない。
  • SDGsをやるために事業をやるみたいな風潮。
  • SDGsをやっている、やっていないの2元論での評価。

④ 余力があれば、マイナス要因も考えておく

  • SDGsの取り組み。ちょっとやってもSDGs達成、いっぱいやってもSDGs達成。なんだかおかしい。量と質による評価がないと、社内に根付かない。やってる・やってないの評価だと、上手くいかない。
  • 通常やっている事業が、そもそもSDGsに大きく貢献しているケース(例えば、社内基準で法律よりさらに高い、化学物質の使用量の制限規定がある場合等)と、新たに、SDGsに寄与しようと、事業に目標や制限を設定した場合では、組織の負担が全然違う。深くやることと、広くやること、どちらの大切だが、評価基準があいまいだと、広くやること(SDGsの分野を広げること)は、多分進まない。

⑤ 具体的な解決方法をイメージする。

  • 何をどうやるかが決まっていない。企業版のアクションプランあってもいい
  • 個別の事業(既存事業)とリンクしていないので、紐づけないとダメ
  • 新規事業を実施する際の、評価基準にSDGsの何の目標にどれだけ貢献するかを追加
  • 電気自動車の導入、SDGs的な観点で見れば購入のハードルが下がるのでは?
  • 女性の管理職、国がゴリ押しなので、やるべきか。個人的には、適性が高いものが性別に関係なく評価されるべきだと思うけど。
  • やれという号令だけでは多分進まない、部門に委ねていてはダメ。ISO14001のように、外部監査等が入らないとダメかも。外圧を上手く利用する。
  • SDGsコンパスに沿って、取り組めば、それでいけるのでは?以下抜粋
    step1
    SDGsを理解する
    第一ステップは、企業が SDGs に関し十分に理解する。
    step2
    優先課題を決定する
    SDGs に関する現在および将来の正および負の影響を評価し、それに基づき、それぞれの優先的に取り組む課題を決定する。
    step3
    目標を設定する
    目標を SDGs と整合させる
    step4
    経営に統合する
    企業内のすべての機能に、持続可能な開発目標を組み込む
    step5
    報告とコミュニケーション
    共通の指標や共有された優先課題に対するパフォーマンスを報告する
SDGsコンパスとは
SDGコンパス」とは、GRI(グローバル・レポーティング・イニシアチブ)、国連グローバル・コンパクト、WBCSD(持続可能な発展のための世界経済人会議)の3団体が共同で作成した、企業がSDGsにどのように取り組むべきかを示した行動指針。SDG_Compass_Japanese.pdf (外部リンク)

小論文 解答例文

小論文を作成するにあたっての論理構成

作成するにあたっては、先ほど準備した①~⑤の材料を組み合わせて、論理的な文章を構築します。論理展開としては以下の順番がおススメです。

  1. 用語の定義(今回はSDGs)
  2. 現状(どんな課題があるか)
  3. 理想
  4. その為に何をするのか

解答例文 SDGsを実現するには何をすべきか?

SDGsについて、国の予算規模を確認すると令和3年度当初予算政府案、令和2年度補正予算の総額は約6.5兆円となっており、達成期限である2030年に向けて今後も、増加傾向が続くと考えられる。

この社会情勢を最大限に活かし、既に策定している我が社のSDGs推進指針に基づき、企業としてさらに成長するために、取り組むべきことを3つの視点①社員の意識改革と現状分析(可視化)、②新規事業の意思決定プロセスにSDGs視点の反映、③その具体例、から論じることとする。

1.社員の意識改革と現状分析(可視化)

企業活動に根差したSDGsを拡大していくためには、各部門(生産部門、管理部門、営業部門等)の既存事業・新規事業で、SDGs視点で何ができるかを洗い出し、ボトムアップで作り上げていく必要がある。

そのためには、まずは社員1人1人がSDGsを理解し、自分の担っている業務でSDGsに寄与できるのか、若しくは既にSDGsに寄与しており更なる改善の余地があるのかどうか、しっかり分析する必要がある。

現時点で、社の中で、SDGsについて正確な知識を有している社員の数は、まだ少ない。その結果、経営方針の中で、SDGsへの貢献が掲げられているものの、自分の部署の業務・自分の担当している業務と明確にリンクできていない。

まずは、SDGsの知識を向上されるような研修(職場研修)を、実施し、社員のSDGsに対する知識を向上させること、そして、既存の業務をSDGsの視点から、再評価する必要がある。

具体的には、事業一覧に整理されている各事業について、次の3つの視点の評価項目を追加してはどうかと考える。

①その事業がSDGsのどの分野・どのターゲットに関係するのか、

②その事業をSDGsの視点から改善する余地はあるのか、

③どの程度SDGsに寄与する事業なのか。

これらの項目を設けることで、既存事業とSDGsをリンクすることができ、企業全体としてSDGsのどの分野にどの程度貢献できているのか(貢献できそうか)、又はどの分野が弱点なのかが可視化できるようになると考える。

2.新規事業の意思決定プロセスにSDGs視点の反映

既存事業をSDGsにリンクすることができたら、次の段階は新規事業実施の意思決定基準の1つにSDGsへの貢献を設定することが有効ではないかと考える。

現在、わが社の新規事業の事業計画では、顧客像、顧客に提供する価値、自社の優位性、市場規模、ビジネスモデル、マネタイズモデル、社会的な意義、これらの要素を整理し、新たな事業を開始するか否かの意思決定がなされる。

この意思決定のプロセスにSDGsの視点を組み込むことを提案したい。

具体的には、SDGsにどの程度寄与する事業なのかを、事業の評価要素として組み込み、新規事業を実施するか否かの意思決定の判断基準の1つにすることなどである。

3.その具体例

最後に、1及び2で述べた取り組みを通じで、どのようにSDGsへの寄与が具体化されるかについて示す。

例えば、社用車は、未だその大部分が、ガソリン車かハイブリット車であり、電気自動車は、コスト面から導入するに至っていない。

社用車の購入計画事業に、SDGsの視点を組み込むことができれば、電気自動車購入のハードルをさげられるのではないかと考える。

電気自動車の購入は、目標7や13に寄与する。

目標  7:エネルギーをクリーンに、そしてみんなに

目標13:気候変動に具体的な対策を

実際に事業を再検討する上では、コスト面と環境への影響(二酸化炭素削減量)を示した上で、比較検討することが不可欠ではあるが、SDGsの視点を事業実施の判断基準に組み込むことで、今ではなく、未来に投資するという観点から事業を評価ができるのではないかと考える(事業実施のハードルが下がると考える)。

これら、3つの取り組みを進めることで、ボトムアップでSDGsに寄与する事業が生まれやすい企業体質に変えていけるのではないかと考える。

約1,500文字

追伸:国のSDGsアクションプランが難しすぎる件

SDGsは、「Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)」について知った風な口ぶりで書いてきましたが、私もこの記事を書く時点では、ほとんど知識がありませんでした。

記事作成に先立ち、国のホームページで「SDGsアクションプラン2021」を見てきましたが、カタカナ英語が頻発していて、何が書いてあるのか、意味不明で心が折れました。難しいことを小難しく書くことは誰にでもできます。もう少し、かみ砕いて伝える努力があってしかるべきかと。

ちなみに、国のアクションプランのP3だけでこんなに、たくさんの横文字が出てきます・・・

ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC)ダイバーシティ、バリアフリー、Society5.0、デジタルトランスフォーメーション、ESG投資、ディーセントワーク、科学技術イノベーション(STI)etc。

しば

国の考え方として、わかる奴だけ分かればいい。SDGsの理念が理解できるレベルの組織(企業・大学・自治体)とまずはやっていく。という意思を感じます・・・。

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