管理職に昇進するにあたって試験が課される場合、志望動機・論文・面談のいずれか、又はその組み合わせになるケースが多いようです。
しば
こんにちは、うつ病から復活して、社内で38歳最年少で管理職に昇進した「しば」と申します。
ちなみに、私の会社の昇進試験(管理職)は人事評価を基礎点として、志望動機と面談で判定されるしくみになっています(その他の職位については無試験)。
当時、自分がつまづいたり疑問に思った点を、記事としてまとめています。
志望動機は、面接時に試験官が熟読し、その内容に沿った質問をするケースが多いため、いい加減な志望動機を提出すると、面接にまで悪影響がでてしまいます。
なぜ、自分が昇進したいのか、どのようなスキルを有して、どうやって成果が生み出せるのかをしっかり記入して、他の志望者と差別化する事が大切です。採点する側(経営層)の記憶に残らないと、昇進できません。
今回は、昇進試験を受けることを考えている方向けに、志望動機の書き方や私が実際に昇進試験時に使用した志望動機を例文として紹介したいと思います。
ちなみに、昇進試験は最短距離を最速で突破するべき試験です、時間をかければ、かけるほど得点が上昇するような類の試験ではありません。
昇進試験について何をどう勉強すればよいか不安な方、志望動機や他テーマの小論文の作成について学びたい方は、こちらからどうぞ。
参考記事【完全攻略】昇進・昇格試験って何をすればいいの?合格までのロードマップとは
関連記事 【まとめ】解答例文つき 頻出テーマ10選 昇進・昇格試験(小論文編)
目次
管理職への昇進試験における志望動機の書き方
本音と建前を使い分けて、自分の個性を書く
当たり前ですが、本音と建前を使い分けましょう。
給料をあげたいとか、つまらない雑用は他人に振りたいとか、気に入らない社員を別の部署に飛ばしたいとか・・・等のマイナスの本音を書くべきではいけません。組織は、プラスの影響を与えてくれる人材を昇進させます。『より自分の資質を活かして仕事に関わりたい』などの前向きな言葉に変換しましょう。
管理職とは、端的言えば経営側の立場に立って、チームを使って成果を出すことが求められるポジションです。この役割の部分をどうやって実現していくかを、これまでの経歴を踏まえた上で、自分の言葉で書くことができれば満点です。
もしかしたら、過去に昇進試験を受けた人の志望動機が上司や先輩経由で手に入ることがあるかもしれません。参考になると思いますが、コピぺすることはやめましょう。
会社は、本物の人材・多様な才能を求めています。人のふんどしで相撲を取るような人材は求めていません。自分から他の多くのライバル達の中に埋没するようなことはやめましょう。
しば
志望動機に求められる文章量の目安は、9割以上。見栄えも重要です。
400字原稿での提出を求められているのであれば、360字以上は、必ず書きましょう。ある程度のボリュームがないと熱意が伝わりません。
志望動機に入れるべき4大要素
自分が何をしてきたか(何ができるのか)
面接官の中には、あなたの事を知らない人がいるかもしれません。自己紹介として、これまでどんな分野で、どのような成果を産んできたのか、自分の経歴を端的に伝えましょう。
なぜ管理職になりたいのか
なぜ、管理職になりたいかを志望動機に盛り込むためには、「そもそも管理職の仕事とは何か?」を理解しておく必要があります。
あなたの会社の就業規則等に記載されている管理職の権限をまずは、一読しましょう。
恐らく抽象的に書いてあると思いますが、管理職の役割の本質は「チームを使って成果を出す」の一点に集約されます。
マネジメントも、利害関係者との調整も、人材育成も「他人を使って成果を出す」ためにやっているにすぎません。
この本質を理解したうえで、『管理職にならなければ、出来ない業務をやりたい(管理職の権限でこれをやりたい)。だから管理職に昇進したい。』というロジックで書きましょう。
ポイントは、「管理職の仕事とは何なのか」を具体的な業務レベルで理解したうえで、書くということです。管理職は経営層が打ち出した理想を現実に変えるだけの実務遂行能力が求められているため、より現実に即した形で書く方が、評価されます。
職場の上司を通して、管理職の仕事を理解できればいいのですが、それが難しい場合は、書籍を活用しましょう。
以下に、私がこれまで読んできて、現場レベルで役に立った管理職向けの本を紹介するので、参考にしてください。イメージが膨らむはずです。
関連記事【1年目の新米管理職・課長向け】マネジメント本 ランキング|知識で経験不足を補おう
それでも、まだ『なぜ管理職になりたいのか?』理由が明確にならない場合は、どうして管理職になりたいのか?その気持ちの言語化でつまづいている可能性があります。以下の記事を参考に整理に取り組んでください。
関連記事なぜ管理職になりたいか?昇進したい理由の整理方法|必ず自分の言葉で表現しよう
理想としている管理職のイメージは何か
自分の経験を踏まえて、理想の管理職像を書きましょう。
私の場合は、上司が関係者との根回しを事前にしてくれたおかげで、仕事がスムーズに行ったことがあったので、その部分を脚色しまくって書きました。
職場の元上司など、身近なモデルを引き合いに出すと書きやすい上に、説得力も増し、面接官にその上司とあなたの良い印象を与えられるという、一粒で3度おいしい戦法なので、是非取り入れるべきかと思います。
しば
管理職になれば、組織にどのような貢献ができるのか(何ができるのか)
あなたのスキルや専門知識が、管理職になればどう生かされるのかを書きましょう。
既に上層部に、個人的なスキルや専門知識で認められているのであれば、プレイヤーとしての貢献に焦点をあてて書いても良いと思います。
その場合は、自分がプレイヤーとして得た知識や経験をチームに横展開し、『チームを使って成果を出す』ことができることをアピールしましょう。
もし、現時点で尖った成果を出したことがないのなら、自分が理想とするマネジメントや人材育成に絡めて『チームを使って成果を出す』ことを書きましょう(将来こうしたいを書く)。
しば
志望動機の例文
参考に、私の志望動機を例文として掲示させていただきます。
私の会社では昇進試験時には、過去に試験を受けた人の志望動機が複数出回るのですが、それらを参考に論理展開して作成しました。
面接は緊張しまくって、最悪の出来だったのに、管理職に昇進できたのは、志望動機の質が他の受験者より高かったからだと思っています。(一部伏字にさせてもらっています。)
志望動機
私は、所属する●●●部で、これまでリスクマネジメント、●●●システムの構築や●●プロジェクトの計画修正等に携わってきました。
これらの事業で成果を出す為には、社内・社外の関係機関との協力が不可欠です。
例えば、●●●システムの構築の際には●●●の発行機能をどのようにするのか、関係者の意見を聞きながら、アイデアを取りまとめ、機能を決定していく必要がありました。
協議を進める中で、相手がどう考え、何を求めているかについて悩むことがありました。
そのような時、当時の上司には、知識に裏付けられた的確な助言と共に、事前調整していただくなど、円滑に仕事が進むよう様々な部分で配慮をしていただきました。
これらの経験を通して、管理職に魅力を感じるようになり、自分もそうありたいと考えるようになりました。
また、今年は地震や台風と自然災害が立て続けに発生しました。私自身は、発災直後は社の対策本部で被災状況の集約に従事し、その後は、●●工場の復旧計画に携わりました。
こうした災害対応の中心で主体的に考え、対応してきた経験は、多くの後輩社員に引き継いでいく価値があると考えます。
これまでの上司から学んだ調整力や指導力、今回の災害対応の経験を、後輩職員の育成につなげたいと思います。よろしくお願いします。
約530文字
昇進試験=文章力が試される試験
組織は、管理職の適性の1つに文章力を求めています。キレイな文章が書ける人は、論理的思考力も有しています。
だから会社は試験を通して、志望者の文章力を何度も何度もチェックするのです。
また、管理職になれば、メールなど文章で複数の部下に情報を伝え指示する機会や、チームの長として報告資料を作成する機会などが爆発的に増えます。
つまり、文章によるコミュニケーションの重要性が圧倒的に高まります。
係員のときは、文章力が低くても、上司が適材適所で仕事を割り振ってくれるので、仕事に問題が生じるケースはほどんどありません。
一方、管理職の場合は、仕事・文章を書くという仕事から逃げることは、絶対にできません(時々、文書作成を部下に丸投げする、爆弾級の管理職もいますが・・・)。
いま文章力に自信がない方は、管理職に昇進しても、ほぼ間違いなく、しんどい思いをすることになります。
それは、あなたの苦手な『文章を書く』という作業が、仕事の中心になってくるからです。逆にいえば、文章力を身につければ、管理職試験に合格する確率が高まり、昇進後の管理職業務もスムーズに進めることができます。
結果、自分時間や家族との幸せな時間を増やすことができます。
文章力を高めることに取り組みませんか?以下の記事に、今日からできる文書力を高める方法を書いています。
関連記事【科学的エビデンスあり】今日からできる!!社会人が文章力を高める方法
しば
コミュ障の私が、どうにかチームをマネジメントできているのは、文章力のおかけです。
対人コミュニケーションスキルが、並以下でも、文章力があれば、その弱点を補うことができます。