あなたの職場に依存心の強い『困ったちゃん』の先輩や上司はいますか?
連行序列を未だ引きづっている日本の会社における大きな矛盾は、上の物(上司・先輩)が下の物(部下・後輩)より必ずしも優秀ではないことが挙げられると思います。
下の物が自分より優秀であれば、上の物が率先して、雑用をこなし下の物が動きやすい環境を作ってあげないといけません。
しば
これができていれば、チームとして機能しますし、下の人間は必ず、上の人間を尊敬し良好な人間関係が維持されます。
逆に、自らの立場を利用して難しい仕事は、下に丸投げ、雑用からも逃げるような、上の人間は、周りから信頼を得ることは出来ませんし、どんどん下の気持ちが離れていきます。結果、職場でも浮いた存在になってしまいます。
文字にしてみると、人としてあり得ない行為ですが、うちの会社にもそういう人が、結構います。程度の差はあるけど、10人に1人くらいは、この手のタイプです。うちの会社だけ、この手の『困ったちゃん』が多いという訳ではないでしょうから、日本の社会としてそういう人が結構いるのではないでしょうか?
こういう人は、他人に依存して生きる(仕事をしている)ことが、骨の髄まで染み付いてしまっており、習慣化しています。自分が、チームや他人に負荷をかけている事に気づきません。もしくは、自分が仕事ができないという事を直視できないために、わざと自分の心をだまして、気づかないようにしてるのかもしれません。
こういう人に対して、どう対処すべきなのでしょうか?
私自身の体験に即して言うと、こういう人は、職場の雰囲気をくみ取ったり、相手の気持ちを読むことが総じて苦手です。いわゆる行間を読むという事ができません。(もしかしたら、しないようにしているだけかもしれません・・・)
結局、仕事に対する態度を改めるよう他人から直接指摘されたり、助言されたりするのですが、受け入れせん。
ちょっとやそっとでは治りませんし、もし指摘された程度で治るような人であれば、そもそも『困ったちゃん』には、なっていません。
私が考えるに入社した直後から、依存心の強い『困ったちゃん』であるケースは、ほとんどありません。新入社員が、仕事に取り組む中で、他人と比較して、自分がうまく仕事が進められない、失敗ばかりする。
そういう、その人にとってはツライ経験を経て、自分のプライドを守るため、自分が仕事ができないという事を事実から逃れるため、後天的に獲得した資質・スキルのようなものだと考えています。
私自身は、この手の困ったちゃんが、上司や先輩の場合は、できるだけ接触を減らすようにしてやり過ごしてきました。逆に、部下のの間でそのような状態が生じた場合は(要するに部下Aがさらに年下の部下Bに仕事を振っている)、業務的に隔離するようにしています。
業務的に隔離とは、端的にいってしまうと、チームプレーから外します。複数人でチームとしての仕事からは引き上げさせて、自分自身単体で、取り組まねばならないような仕事を割り振ります。他人に依存できないような環境に無理やりしてしまうという訳です。
依存心の強い『困ったちゃん』の特徴
自分の仕事を手伝わせるけど、他人の仕事は手伝わない
専門的な業務を手伝わないだけでなく、単純業務であっても自分から積極的には手伝いません。人としてどうかと思いますが、本人は気づいていません。
聞こえていても聞こえない振りをする
『困ったちゃん』は、新しい仕事を振られたくないのです。なので、基本的に仕事の会話には、入ってきません。それどころか、自分が担当の業務で、他部署や外から電話がかかってきても、聞こえない振りをします。
会議では、基本的に発言しない(自分が担当の業務でも)
会議では、発言しません。仮に意見を求められても、YES/NOレベルの見解しか示しません。会議での存在が空気なのは、『困ったちゃん』なりの戦略があります。
会議で、積極的に発言したり、アイディアを出したりする人間は、新たなプロジェクトの中心的役割を担う事が多いです。『困ったちゃん』はそれが嫌なのです。
具体的に指示のあった仕事しかしない(できない)
嫌々仕事をする習慣が、骨身にまで染み付いているので、能力的にも人間的にも成長していません(たとえ、外見はおっさんであっても)。そのことは、指示された仕事以外は全くしない(できない)という結果に表れます。
理由をつけて難易度の高い仕事から逃げる
『困ったちゃん』が会議で発言することは、基本ないと書きましたが、例外があります。自分がその仕事をできない理由については雄弁に語ります。別の些細な業務を引き合いに出して、彼はより重要な仕事を断ろうとします。
『困ったちゃん』は、基本的に自分の事しか見ていません、職場の人間が全員彼のように、理由をつけて断るというスタンスであれば、新規のプロジェクトは絶対に動くことはないでしょう。彼が断わった分、その負担は別の人間に行くことになります。
そんな単純な理屈を理解しようとしないのです。(恐らく自分にとって都合の悪いことなので考えたこともないと思います。)
責任をとりたくないので、自分ができない仕事を部下・後輩に振る
部下や後輩の成長を促すため、難易度の高い業務をやらせるという事はよくある事です。この場合、その業務の進捗は常にチェックし、レールから脱線しかけたら、すぐに助言やその他のケアをすることが、仕事を振った上司や先輩の役割であり暗黙のルールになります。
ただ、上記のような仕事の振り方は振る側にも力量が求められます。
『困ったちゃん』は、基本的に仕事のスキルが成長していないので、この暗黙のルールに沿ったやり方はできません。無責任に仕事を部下や後輩に振り、そして振った後は、その仕事の事は完全に忘れます。まるで、その仕事に対する自分の責任は初めから無かったかのように。
しば
もし、あなたがマネジメントする立場で、チームへの影響を最小限にしたいと思っているなら、彼には極力単独業務をやらせるべきです。でなければ、周りのメンバーがメンタル的に疲弊する事になります。
仮に、『困ったちゃん』を再教育しても、矯正されるかどうかは、未知数です。なぜなら彼の依存心強さは、スキルの依存しているのではなく、本人の思考・マインド、性格によるものだからです。再教育で、マインド・性格まで変えることができますか??