解答例文つき 昇進・昇格試験(論文編)| 職場における人材育成について

人材育成

皆さんは、後輩や部下から業務に対するアドバイスを求められたとき、どのように対応していますか?

管理職(職位が上)なら、後輩・部下の質問には100%回答できないといけないと思い込んでいませんか?答えられないと自分に対する敬意が失われて、マネジメントに支障をきたすと考えていませんか?

しば

こんには、管理職になりたての頃、なんでもできる職場の神様になろうとして、爆沈した『しば』と申します。

管理職が担当者の専門性を超える必要はありません。超えてはダメです。

『人材育成』を考えるのであれば、後輩・部下に1から100まで教えてやらせるのではなく、本人に試行錯誤させ、何らかの答えをださせて、それ内容について上司が判断する形にしなければなりません。

自分の頭を使って答えをだす習慣のない人は、成長しません。人間は、自分で失敗したことからは、大きく学びますが、上司の指示に従って失敗したことからは、学びません。

結局、何でも相談にくる人の本質は、能力の欠如と責任回避にすぎません。

とはいえ管理職を3年務めて思うことは、部下が委縮して相談しなくなると困るので、「解決を求めてくるな」とは言えず・・・。

やんわりと『ちゃんと自分の頭で考えてきてから来てね』と伝えるようにしています。バランスが大事といったところでしょうか。

今回は、管理職の仕事の中でも大きなウェートを占め、昇進試験でも頻出テーマである人材育成について、小論文の書き方と参考文例をお示ししたいと思います。

その他、昇進試験について何をどう勉強すればよいか不安な方、志望動機や他テーマの小論文の作成について学びたい方は、こちらからどうぞ。

参考記事【完全攻略】昇進試験って何を勉強すればいいの?合格までのロードマップとは

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ここから 小論文作成の準備|キーワードの洗い出し

具体的な小論文とするため、必要なキーワードの洗い出しから開始します。

以下は、私が考える「人材育成」に関するキーワードです。みなさんも余力があれば自分の手を動かして考てください。

① 言葉の定義を必ず調べる

そもそも、人材育成とは何か?

WEB上には、様々な解釈があったため、改めて調べてみて混乱しました。

国や公的機関で明確に定義されていないので、今回は、書籍やWEBで調べた結果『企業が利益を上げるために、社員のスキルを都度更新していくこと、経験を積ませること』と定義することとします。

参考 人材育成の目的

企業にとって人材育成とは、さまざまなリソースを有効的に活用し、人を育てていくことです。

生産性を向上し、利益を最大化するため、人材を企業内の適材適所に配置し、従業員に最大限の能力を発揮してもらうことが最大の目的です。

引用:ホワイト化のヒント「人材育成とは?目的とポイント、問題点をまとめてみた」

② 理想の状態をイメージする

次に、理想の人材育成が実践されると、どうなるのか?イメージしてみます。

端的にいえば、職場に優れた部下が溢れる。優秀な部下は、主体的に動く、そして何をしなければならないか、部下の方が上司より、よくわかっている。求めるべきものを部下のほうから教えてくれる。といった所でしょうか??

以前読んだ『仕事は楽しいかね2』では以下のように定義されていました。

優秀な部下とは

  1. 優れた部下はそこそこの出来に甘んじたりしない。
  2. 上司が困っていると、彼らはすぐ助けに来てくれる。頼む必要などない。
  3. 有能な部下は、自分に対して極めて厳しい。彼らに指導は必要ない。ただよくやったと褒めるだけで良い。
  4. 優れた部下は、自分のしたことは自分で責任を取る。
  5. 良い部下がいれば、後ろを振り返る必要がない。彼らがしっかり見ていてくれる。
  6. 優れた部下は、問題が起きたり混乱している時にこそ、素晴らしい力を発揮する。
  7. 良い部下は情報を明確にする。専門用語を並べて話したりせず、選択肢をきちんと提示する。
  8. 優秀な部下は、いろんな可能性を示してくれる。

 

③ 現実をイメージする

人材育成がうまくいかないと何がマズいのか?なぜ成長しない人が出てきてしまうのか、少し考察してみます。

なぜ成長できない人は生まれるのか

  1. 難しい仕事をしたことがない(経験が不足している)
  2. 1に近いが、成長できるような仕事を与えられたことがない
  3. 自分で相違工夫する習慣がない(指示・マニュアルがないと動けない、考える習慣がない)
  4. 素直じゃない。特に中高年に顕著。
  5. 成長するという意欲がない。努力をしない
  6. OJTはしても、OFFJTはしない。ましてや、自宅で自己啓発に取り組むことは絶対にない
  7. 自分が何が得意で何が不得意か、自己分析ができてない
  8. 成長する為に何をするべきか、わかっていない
  9. 周りの環境が良くない。ぬるま湯で、手本となる人がいない(いなかった)。

④ 余力があれば、マイナス要因も考えておく

マイナスの要素特になし。強いて言えば、専門性の高いスキルは、今の職場でしか必要ではないため、異動すると『死にスキル』になる可能性がある。

⑤ 具体的な解決方法をイメージする。

成長するには、職場で学ぶ、自宅で学ぶ、自己啓発等のアプローチがある。

人材育成

引用:東京都社会福祉事業団

現実問題として、人材を育成していくためには

  • 給料が支払われる勤務時間内での学ぶことはあっても、支払われない自宅で学ぶ人はほとんどいない。
  • 学ぶ意欲の醸成が何より大切で、これができれば勝手に人は育っていく。
  • 独力で学ぶキッカケを与えること。
  • 「成長できるような仕事」を「成長できそうな人」に割り振ること。
  • 外部研修を職務命令として参加させる。参加させた社員に、職場内の講師をさせる。記憶の定着が一番高いのは、書く事でも、読むことでもなく、教えること。

上記の対策を取ることが、職場の人材育成に寄与するのではないかと仮定する。

小論文 解答例文

小論文を作成するにあたっての論理構成

作成するにあたっては、先ほど準備した①~⑤の材料を組み合わせて、論理的な文章を構築します。論理展開としては以下の順番がおススメです。

  1. 用語の定義
  2. 現状(どんな課題があるか)
  3. 理想
  4. その為に何をするのか

解答例文

人材育成について様々な考え方があるが、本論文中では『組織が利益を上げるために、社員のスキル・知識を都度更新していくこと、経験を積ませること』そのための『社員1人1人の正しい成長をサポートする取り組み』として定義する。

この定義にそって、何が人材育成の阻害要因となっているのか課題分析を行い、そこからどういった対策をとれば、社員のスキル・知識・経験が高められるかについて、私なりの考えを示したい。

1.人材育成の阻害要因(なぜスキル・知識・経験が高まらないのか)

私が考える人材育成の課題・阻害要因は以下の3点である

① 自己認識できていない(自分に何ができて、何ができないのか認識できていない)

② 難しい仕事をしたことがない(任せてもらえない⇒経験が足りない。この悪循環。)

③ 場当たり的なスキルアップ(体系的な知識がない、だから別の部署に行っても使えない)

2.社員のスキル・知識・経験が高めるための具体的な対策について

①への対応 1on1ミーティングを活用して、本人のスキルや知識の現在地と、将来的な目的地を共有する。

正しい成長には、自分自身が、何が得意で何が苦手なのかを認識し、その得な部分をさらに磨き上げていくことが必要である。

そのために、まずは、1on1ミーティングなどの個別面談の機会を活用して、チーム員が、自分の知識やスキルレベルは元はどこだったのか、今どこまで来ているのかという自己認識する機会をつくることが重要である。

この面談では、今後の成長プラン、つまり新たにどのようなスキルを身に付け、どのような仕事をすれば、より強みを磨くことになるのかを共に考える場にもできると考えている。

②への対策 成長を促進するような仕事を、各チーム員に適切に割り振る

たとえ話になるが、ニワトリを養鶏場で飼育していると、大きく成長していく個体と、大きく成長しない個体が出てくる。この遺伝的にはほとんど同じニワトリにも拘わらず、差異が出てくる理由は、大きく成長するニワトリは、与えられる飼料の中から栄養素の高いエサを峻別し、そのエサを食べるからである。

難易度が高く創意工夫が求められる仕事を、常に優秀な部下に任せていれば、その時点での業務遂行には問題はないが、チーム全体のレベルアップという観点で見れば、機会損失に他ならない。

人を成長させるには、成長する仕事を適切に割り振ることが必要である。フォロー体制も構築しながら、チーム員1人1人が自分より少しレベルの高い仕事を担うような役割分担を考えたい。

③への対策 必要なスキルを身に付けさせるための業務命令による研修参加

わが社における、OFFJTに目を向けると、若手社員向けの、オフィスソフトの活用研修から、最新の学会への参加まで、非常に多岐に渡る、研修・学びの場が提供されている。

一方で、社員の参加傾向を見ると、『法改正があって、どうしてもその情報を把握しておかなくてはいけない』又は『プロジェクトを進める上で、絶対に必要な情報が得られる』等、真に切羽詰まった状況であれば、参加率が高まるものの、重要ではあるが急ぎではない研修・学びの場については、参加率が低い傾向がある。

これだと、体系的な知識やスキルが身につかない。場当たり的な成長にしかならないと考える。

研修への参加にこのような傾向がある理由の1つは、業務担当者が必要性を判断しその出席を決めているためである。研修参加を目の前の実務をこなすことに注力している担当者任せにすれば、このような場当たり的な形になってしまうのは、やむを得ない。

例えば、将来的に統計分析の作業をさせたいと考えているチーム員には、業務命令で、あらかじめデータベースの研修を複数受講させておくなど、業務レベルにスキルを追つかせるのでなく、スキルが先行して、その後ろを業務レベルが追いかける形が理想の形ではないだろうか。

必要性に迫られて知識やスキルを高めるというパターン以外に、直属の上司が、将来チーム力を高めるには、それぞれの部下が今、何を学ぶべきかを精査したうえで、業務命令として研修に参加させるパターンがもっとあって良いのではないかと考える。

管理職への昇進が叶ったなら、これら対策をとることで、継続的に人材が育つ環境に尽力したいと考えている。

文字数 約1,700字

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