- チームワークとは何か
- 主任や係長に求められるチームワークの内容とそのレベル
- リンク 解答例文「 主任(係長)としてチームワークを高めるために何をするか?
この記事は、主任や係長への昇進試験を考えている方向けの記事になります。
『主任や係長に求められるチームワークとは何か?』は、昇進試験の小論文では頻出テーマです。
会社であれ公務員であれ、組織は、チームの目標を理解し、どうすればその目標達成に近づくことができるのかを考えながら、チームワーク行動ができる人材に実務の中心を担う主任や係長を任せたいと考えています。
一方で、チームワークについてその意味を漠然と理解しているものの、具体的な行動レベルに落とし込んで、完全に理解できている人は少数派です。
結果、組織からどのような行動が求められているかを、しっかり理解できている人は、最短で主任・係長に昇進し、そうでない人は、足止めをくらうということになります。
今回は、チームワークの本質とはいったい何なのか?主任や係長には、チームワークを高めるためにどのような役割が期待されているのか?について、小論文の書き方&模範解答も交えて解説します。
その他、昇進・昇格試験で頻出テーマ(模範解答つき)を確認したい方は、こちらからどうぞ。
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目次
小論文 解答例文
模範解答 主任(係長)としてチームワークを高めるために何をするか?
チームワークの概念は非常に幅広く、時に、チーム目標の共有やコミュニケーションであり、協力支援であり、場合によっては同僚や後輩に対する指導もその範疇に含まれるものである。
つまり、業務の円滑化に資する行為・チーム全体の利益になる行為は、すべてチームワークと捉えることができる。
概念が非常に多くの要素を含むものであるため、今回の論文では、個人としてチームの成果を高めるために、何ができるか?どう行動するべきかに着目して論じることとする。
1.チームワークを高めるための方針
個人としてチームワークを発揮し、チームの成果最大化に貢献するためには、成果に対するマインドのブラッシュアップと具体的な協調行動が必要である。
私は特に以下の3点がチームワーク高めるために有効だと考える。
① 担当者一人一人が、自分に与えられた業務だけでなく、チーム全体のプロジェクトを成功に責任を持つ
② フォローの多重化・チェックの多重化
③チーム視点での仕事への貢献
2.具体的なアクション
それぞれの方針に対する具体的なマインドやアクションを次に示す。
(1)与えられた職位でリーダーシップを発揮する
入社して数年、与えられた業務に対してなんとかミスをしないよう、スケジュールに遅れないようにすることで精一杯だったが、社会人としての基本的なスキルが身についた現在は、自分の仕事の改善すべきポイントや、他のメンバーの進捗状況・課題なども見えるようになってきた。
このような状況の中で、改めて自分なりにチームワークの推進について考えると、まずはマインドが非常に重要だという結論に至った。
私は、チームワークに対する構成員のマインドは大きく2つに大別されると思っている。
1つ目は、チーム員が自分は1人のメンバーとして自身の担当する分野の成果を出す必要があるが、それをまとめるのはリーダーであると考えている場合。
2つ目は、自分の担当する分野で成果を出すことはもちろん、チームとしての意見をまとめあげ、その結束力を高めることも自分の責務だと思っている場合。
どちらが、より成果を上げるチームなのかは、考えるまでもない。少しでも、後者のチームに近づくことができるよう、与えられた職位の中で、チーム内のあらゆる仕事で、後者のリーダーシップを発揮したい。
(2)チーム全体へ視野を拡大する
前述したリーダーシップ発揮する具体的な行動の1つとして、チーム全体に対するフォローとチェックがあげられる。
自分の担当している業務以外であっても、同僚や後輩の作業の進捗具合に気を配り、必要に応じて、タスクを引き受けるなど、チーム全体がうまく機能するよう、フォローを行い潤滑油のような役割を果たしたい。
また、極力避けるべきだが、万が一自分の担当している部分に作業にタスクが集中し、チームのボトルネックしまった場合は、早い段階で、上司にヘルプを求めることも必要であると考える。
これらに加え、チームのアウトプットの質を高めるため、同僚や後輩が担った作業について、チェックする役割も担いたい。チェックを2重化することで、ミスを減らし、場合によっては、チェック時点で新しいアイディアを追加など質の向上につながると考える。
(3)強みを生かしたチームへの貢献
チームの作業効率を高めるためには、それぞれのメンバーが自分の強みを生かして、成果に貢献することが重要である。
まずは、自分というチームの歯車が、何ができて・何ができない歯車なのか、チームのメンバーに理解をしてもらうこと、自己開示が必要である。
そのためにも、積極的にコミュニケーションをとりつつ、相手が苦手でかつ自分が得意な分野(例えば、統計データの整理やデーターベース化など)であれば、今まで以上に積極的に作業を引き受けていきたい。
こうして、構築した信頼関係をベースに自分の苦手は作業は、それが得意なチームメンバーにお願いするなど、チームで成果を出すという、見地に立って最適な行動をとれるようにしたい。
チークワークを高めるためには、自己開示やチーム全体に視野を広げリーダーシップを発揮することが必要だと考える。
今後は、自分だけがチームワークを意識するのではなく、それぞれのメンバーがチークワークを意識し、業務にあたれるように、日々のコミュニケーションを通じてメンバーと信頼関係を構築しながら、その向上に努めていきたい。(文字数1,600字)
管理職の昇進試験と主任・係長との昇進試験での違いは、前者が『チームを使って成果を達成するためのアクションを書く』必要があることに対して、後者は『自分が成果を達成するためのアクションを書く』ということです。
今回は、チームワークなので、主任・係長として、チームワークを向上させるため、自分が具体的にどういうアクションをするかを書かなければならないということです。
参考 プレゼン用資料(スライドサンプル)
もし、上記テーマでのプレゼンが求められているなら、以下の記事を参考にしてください。パワポで作成したサンプルデータをアップしています。

こんな感じのデータをアップしています(スライドをクリックすると次のページに進みます)。
しばしばさんによる完成版 ✔チームワークを高めるため主任として何をするか.pptx
小論文 作成手順|STEP1 箇条書きで文章のパーツをつくる
小論文を作成するにあたって、いきなり頭から書き始めてはいけません。どういう切り口で小論文を書くか、箇条書きで文章のパーツを作ってから、書き始めましょう。
一番重要なのは、このパーツづくりです。パーツが完成していれば、あとは適切な順序で並べれば、小論文は完成します。
実際に、具体的な論拠を示しながら、説得力のある小論文を書くために必要な文章のパーツは4種類です。
- 用語の定義(出題テーマを定義)
- 現状の課題(職場の課題)
- 理想の状態
- 考えうる解決策(現状⇒理想には何が必要か?を整理)
- 余力があれば、理想が実現した時の問題点など
しば
用語の定義(出題テーマを定義)
チームワークと聞かれたら、皆さんは何をイメージしますか?
冒頭でも書きましたが、抽象的すぎて言葉で表現することは、意外と難しく感じませんか?
チームワークの概念は非常に幅広く、時にコミュニケーションであり、協力支援であり、場合によっては後輩や部下に対する指導もその範疇に含まれます。
業務の円滑化に資する行為・チーム全体の利益のための行為は、すべて広義のチームワークといえます。
ここで、なぜチームワークは必要なのかについて改めて整理すると、以下の点に集約されます。
個人で達成できないプロジェクトを、チームとして達成するためです。
個々の能力では解決できない課題を、チームワークを発揮し、複数人による相乗効果によって解決するためです。
ただ漠然と人が集まったグループでは、この相乗効果は発揮されないということも覚えておきましょう。
しば
現状の課題(職場の課題)
次に自分の属している組織で、もし、チームワークが達成されたならどうなるか、理想の状態を書き出してください。
- 成果が最大化
- チーム員に迷いがない。目標の共有
- 全体のプロジェクトの進捗が手に取るようにわかる(全員で情報共有)
- 最善の手段でプロジェクトが進む(全員でアイディアを出す)
- 作業が最大効率で進む(適切な役割分担。得意な人に得意なことを)
- 残業がなくなる
- チーム内でスキルの共有が進む、知識の継承が進む
- マニュアル化が進む
理想の状態(理想の状態とのギャップ)
次に、現実はどうでしょうか?理想とギャップはありませんか?書き出してみましょう。
- 誰が何をやっているか不明
- フォロー体制皆無
- 個人主義、得意なことも苦手なことも自分1人でやる
- アイディアがチームからでてこない。よって前例踏襲になり組織として進歩しない
- 具体的な目標が共有されてない。だから個々人がバラバラに仕事をすすめる
- コミュニケーションが皆無でスキルが共有されない
考えうる解決策(現状⇒理想には何が必要か?を整理)
チームワークを『チーム全体の利益に資するあらゆる行為』と定義しましたが、実現するには、どういったマインドや行動が必要なのでしょうか?
ポイントは、まずはマインドが重要ということです。自分の担当部分だけでけではなく、チーム全体の成果についても責任があるというマインドを持たなければ、チームワークは絶対に達成できないからです。
その上で、チーム全体に見て、その上で、どのような行動が自分に求められているかを落とし込んでいきましょう。
しば
- チーム目標の明確化(目標の細分化)
- 目標の共有化
- 視野の拡大(個人としてではなく、チームとしての視野)
- 意思疎通・コミュニケーション
- チェック機能の多重化(成果物のチェックを担当任せにしない)
- フォローの多重化
- 心理的安全性の醸成
- 活発なアイディア出し(多様な意見)
- 個人のスキルの底上げとチームへのノウハウの共有
- プレイヤーとして 得意分野での積極的貢献
- プレイヤーとして 苦手分野の委任(苦手な仕事をお願いする)
もっと、具体的な行動を知りたい方は、厚生労働省が作成した人事評価シートのチームワークの項目が参考になるので、確認してください。
余力があれば、マイナス要因も考えておく
チームワークを過剰に追求した場合の問題点はありませんか?
一般的にチームワークが保たれている状況下でのマイナス要素は、ほとんどないと言ってよいでしょう。
しいて言うなら・・・。やっぱり良い意味で、意見の衝突が発生します。
意見の衝突を乗り越えることができたチームは、より大きな成果を生み出すが、衝突したままで空中分裂してしまうこともあります。
しば
小論文 作成手順|STEP2 論理構成に沿ってパーツを並べる
先ほど洗い出したパーツの最適な並べ方(論理構成)は以下のとおりです。
昇進や昇格試験における小論文では、どのようなテーマであっても、使えるためおススメです。
- 用語の定義
- 現状(どんな課題があるか)
- 理想
- その為に何をするのか
繰り返しになりますが、実際に小論文を書くにあたっては、文章のパーツをまず作って、それをこの論理構成に沿って適切に並べていく感じです。
このやり方だと、論理展開にブレが生じないので、文章を書いては消して、書いては消しての作業がなくなるので、完成までの時間が圧倒的に短縮されます。
かなりザクッと解説しましたが、いまいちピンとこなかった方は、より詳細に以下の記事で解説しているので参考にしていただければ。
参考記事 昇進・昇格試験|小論文の書き方講座(構成編・実践編) | しばblog (sibainu1116.com)
まとめ 昇進・昇格試験対策|最短距離を最速で
学校のテストとは異なり、昇進・昇格試験は、その勉強方法や手順を誰も教えてくれません。
職場の親切な上司や先輩に聞けば、ふわっとしたアドバイスをくれると思いますが、注意してください。
その方法は、その上司や先輩が『たまたまうまくいった方法』に過ぎません。鵜呑みにすると、失敗します。
少なくとも、タイムロスをすることになります。
多くの人は、昇格試験・昇進試験に合格するための学習プランをメソッド(手順)として確立できるほど、多くの受験経験は有していません。
加えて、受験者である『あなた』と『その上司・先輩』は、経験もスキルも違うので、同じ学習計画をたてても、結局、うまくいきません。
だから、先輩や上司に勉強法を聞いても無駄です。
上司・先輩の手法が、合格に導いてくれる保証はありません、根拠がなく再現性がないからです。
合格するために必要なのは、『合格までのロードマップ』には、何があって、自分が何を対策しなければならないかを、把握することです。
昇格・昇進試験に、志望動機の提出や筆記試験(択一式)、面接なども課されていて、何をやったら良いか、よくわからないという方向けに昇進・昇格試験全体のロードマップに関する記事も用意しています。
ご参考にしていただければ。