苦手でやりたくない仕事から逃げるには、どうすればいいのでしょうか?
自己啓発本やビジネス系のWEBサイトの中には『我慢する』、『勇気をもって断る・理由を明確にして断る』といったものから、『異動や転職する』といった極端なアドバイスが並んでいます。
これらのアドバイスに対する私個人の率直な疑問は、「自分が苦手とする、やりたくない仕事」を遠ざけるにはメンタルや人間関係、生活環境を犠牲しなければならないの??
もっといい方法があるんじゃないの??というものです。
そして、この疑問に対する答えは、以下のとおりです。
- 専門性を磨く
- 周囲の人間にその専門性(スキル)を認識してもらう
- その専門性を活かして、部署の主要プロジェクトを担う人材になる
- 結果、専門性を活かした仕事がメインになり、苦手な仕事の割合が減る
重要なことは、上司にしっかり、自身の資質を理解してもらい『コイツはこの仕事に特化させておいた方が、組織の利益になる』ということを強く印象付けること。
こうすることで、自分の資質にあった仕事が優先して割り振られるようになり、やりたくない仕事・苦手な仕事の割合が圧倒的に減ります。
少なくとも、私はこのやり方で、管理職になるまで苦手な分野の仕事から逃げることに成功しています。
では、具体的にそのやり方を見ていきましょう。
目次
やりたくない仕事で成長することはできない
苦手な分野での成長は難しい、やりたくない仕事は避けるが吉
『自分が苦手な仕事でも、頑張って努力してやり遂げる=美しい』というのは日本人的な感性では美徳とされています。
確かに、入社2~3年くらいで自分の資質が何処にあるか、分からない状況では、様々な分野に手を出して、自分の得意探しをするという意味では、苦手分野を努力して頑張るということも必要でしょう。
但し、自分の得意・不得意がある程度理解できたのであれば、不得意分野にしがみ付くのは、完全な無駄です。
苦手な分野で努力しても、せいぜい人並みのレベルに到達できるかどうかといった所で、あなたの能力や評価が周りよりアップする事はありません。
また、同じ困難であるならば、得な分野の苦労の方が、人間は絶対に成長しますし、スキルアップの視点からも有利です。
資質がある分、身に付きやすいということです。
学生の頃は、100点満点のテストを、全教科バランスよく得点する必要がありました。
でも、社会人は違います。自分の得意な分野で1,000点でも、10,000点でも取れるからです。そっちの方が得点しやすいということです。
苦手な仕事を理由に業務命令を断れますか?異動や転職ができますか?
苦手な仕事を上手く断わり、得意な仕事だけを引き寄せることは出来るのでしょうか?
インターネットで、検索してみると、『嫌な仕事は断れ、断れないなら、転職を!!うちのサイトから転職エージェントに登録を!!』みたいな論調のサイトが複数あります。
この手の虚言にだまされてはいけません(だまされる人もいないと思いますが・・・)。
彼らは転職エージェントに、人材を紹介することで金銭を得ているので、完全なポジショントークをしているに過ぎません。
確かに、『上司の命令を断ること』は組織人にとって、ものすごく難題です。
1度目の業務命令を、適当な理由をつけてお断りすることは出来ても、2度・3度の命令に対して、拒絶することは、普通のメンタルの人間にはできないからです。
状況によっては、YESしか選択肢がない場合もありますし・・・。
冒頭に少し書きましたが、『仕事を断ること』・『我慢すること』は、長期的な視点で見た場合、取るべき戦略ではありません。どこかで必ず破綻します。
目指すべきは、上司から命令される業務・割り振られる業務に自分の苦手な分野が入っていない状況をつくりだすこと。
その為のキーとなるのは、自身の専門性です。
専門性がなければ、やりたくない仕事・苦手な仕事が割り振られてしまう
部署のプロジェクトを進める上で、管理職がどうやって仕事を割り振りを考えているかというと、基本的には適材適所でやろうとします。
例外は、伸びしろの大きい社員を育てるために、ちょっとだけその人の能力を超えるような仕事を割り振るくらいです。
では、割り振りを考える上で、まずどこから考えるかというと、その部署の『一番重要な業務を誰に担ってもらうか?』から考えます。
その際の人選では、重要業務が必要とする専門性を有しているメンバーに、担ってもらうことになります。
そして、重要業務を割り振ったメンバーには、他の業務や雑務など、誰でも対応できる仕事は、基本入れないようにします。
要するに、できるだけメインの仕事に集中できるよう、最大限の配慮をします。
管理職が、仕事の割り振りを考えるときは、重要な仕事から順番にメンバーの資質(専門性)に合った業務を割り振っていきます。
そうすると、最後の方は、重要ではないけど、やらないといけない有象無象の業務が残ります。
この有象無象の業務は、パズルでいえば、どうしてもハマらないピースのようなものです。
結局、重要な業務を担っていないメンバーに、とりあえず割り振っておくという結論に至ります。
つまり、自分にとって嫌な仕事・苦手な仕事が割り振られている人は、上司や人事部局が、その人の資質を把握していない(目立った資質がないと評価されている)か、その人の資質を伸ばす又は開発するためにチャレンジングな課題を与えようとしているかのどちらかです。
前者の場合は、上司への能力アピールの不足が原因です。
- 上司が、その社員の能力や資質に気が付いていない(又は上司がその社員の専門性を評価していない)場合
- 上司が、部下の成長を願って困難なプロジェクトを割り振る場合
個人の能力はその希少性で評価される
個人の能力は、基本的にそのスキルの希少性とその部署の業務とスキルの相性とで評価されます。
周りが普通に出来ることを、周りと同じようにやっても、誰も評価してくれません。
例えば、動画編集できるスキルのある社員が、部署に1人だけの場合でかつ、部署でその業務が恒常的に発生している場合、そのスキルを有する社員は、担当する業務において最大限の配慮がなされるハズです。
専門性を高めれば自分の得意分野に注力できる



「えっ難しそう??」と感じた方も、おられるかもしれませんが、大丈夫です簡単です。
なぜなら上司はその部署の生産性を上げるため、適材適所に努めようとしてるのですから、自分が周りの人より、優れているスキル(専門性)をちょこっとアピールすれば、それでうまくいきます。
場合によっては、上司との何気ない業務上のやりとりや、提出する資料の中に、自分の専門性を潜り込ませることで充分なアピールになります。
今後、部署にとって必要だと思われる分野で、専門性ナンバーワンになることを目指しましょう。
その分野の情報の最上流にいることが大切です。第一人者になりたければ、決して下流にいてはなりません。
得られた情報は、わかりやすく上司や周りに提供しましょう。それだけで、評価は全然違ってくるはずです。
おまけ ちなみに『私』がやりたくない仕事はこれだった
- 初対面の人と何を話せばいいのか、いわゆる雑談として何を話せばいいかわからず、変な空気が流れてしまうから苦手
- 車の運転が苦手(軽自動車だといいのですが、ワンボックスサイズの車で住宅街に行くときなどは、心臓がドキドキします)
- 地図が読めない・・・(ピンポイントで個人宅に行く場合や、細い私道を通る場合、ナビがあてになりません。ゼンリン地図で確認していくことになるのですが、地図の見方がわからず、現地で迷い約束の時間に遅れそうになります)
ですが、管理職になるまでは、ほとんど外回りはしませんでした。
この苦手な業務を避けることができていた理由は、先ほど書いたように、上司が私の得意分野を把握し、その仕事に集中させるために業務を割り振りした結果です。
要するに他の業務(私の苦手な分野含む)が入る余地がなかったからです。